Issuesの10000番以降

は採用案の別案なのですが、これがなかなか読み応えがあります。
http://www.ada-auth.org/cgi-bin/cvsweb.cgi/AIs/
Ada.Containers.Vectorsの命名ひとつ取っても、C++が"list"と呼ぶべきものに"vector"を使った過ちを繰り返すべきではないだの、いやJavaも"vector"だぞだの、Vectorは既に数学パッケージのほうにあるから紛らわしいだの、Algol-68以来の"Flexible_Array"を何故使わないだの…。Unbounded_Stringがある以上Unbounded_Arrayがベストというもっともな力説にも関わらず未だにVectorなのはやはりSTLの影響が強いのか。逆にUnbounded_StringのほうをCharacter_Vectorに改名する案まで…?いやこれは反論のための極端な例。何人もが力説を続け、未だ崩れない"vector"の牙城恐るべし。
私がIndefinite_Variableって名前で作って悦に入ってたIndefinite型を固定幅のメモリに格納する単純なコンテナ(要はauto_ptr)も、その道は四千年前じゃなくて二年前に通過済みだった。
Ada95までは標準ライブラリの名前にFile_Type以外は"_Type"を使わないようになっていたらしく、これは納得。でも今や例外は一杯あるなあ。ん?Ada95にもFile_Typeの他にRoot_Stream_Typeが…。
JGNATとMGNATが既にwith typeという構文を持っていたにも関わらずlimited withが採用されたのはどうしたのだろうと思ってたらpackage abstractだのtype separateだの更なる別案がいっぱいあったし…。
議論が長引くと熱い発言も飛び出す様子で、

I'll fight you until the ends of the earth

惚れ惚れするじゃあないですか。なんで代入の危険な最適化が規格に盛り込まれそうになった程度でこんなこと言えるんだこの人達は。その元気を少しわけてください。
先に紹介しましたlimited型のreturnの参照返し規定についても、裏では物凄く長い議論があったようで、limited returnだのaliased returnだの参照返しを残すための様々な構文が考えられた結論としての、匿名のnot null accessを返値にすれば参照返しは要らないという現在のAmendmentだったようです。
あとpragma Explicit_Overriding;が没なのはやや悲しかったり。