書いてあることはとりあえず度外視して、言語LOVEな熱気がある本

http://shinh.skr.jp/m/?date=20060926#p01より。著者の勢いが伝わってくる本というのは、どんな内容であっても、例えわかり切ったことが書かれてあったとしても、テンションだけで何度でも再読に耐えうるものだと思います。
というわけで自分の読んだ本から思い出せる限り書いてみる。ISBN順。
Quick Basic/VisualBasicゲームプログラミング PC‐9801シリーズ isbn:4756102077
VisualBASIC for MS-DOS*1に、同じ著者が過去にアセンブラで作ったゲーム(縦スクロールのシューティング)を移植しよう、という愛に溢れる一冊。速度差を埋めるためPC-98の機能を色々駆使してました。
Rubyを256倍使うための本 邪道編 isbn:4756136036
Rubyは組み込みメソッド名を見てもわかりますようにUnix系べったりなスクリプト処理系ですが、WindowsではWSHじゃなきゃスクリプトは名乗れねえとばかりにWindowsで使うことにこだわった名著。これを読んで(Rubyではなくて)WSHにはまってた時期があります。
Rubyを256倍使うための本 無道編 isbn:4756137091
Ruby用のパーサジェネレータRaccの解説本。これを読んで(Rubyではなくて)パーサに以下略。Rubyの256シリーズで面白かったと言えるのはこの二冊だけなんですが、熱気に押されてRuby使いもしないのに一通り買ってたり……。
Adaによるソフトウェア開発―ソフトウェア工学とAda導入のすすめかた isbn:4764901838
前半は、(当時の)ソフトウェア工学とか開発サイクルとかのどうでもいい話。メインはAdaを使うようになってからで、実際の使われ方に踏み込んだり、時には他の言語の名前が出てきたり、もっとこうあるべきだみたいな話があったり、ディープというわけでも無いのですが、実に言語オタです。Ada86の時代ですので、Ada95やAda2005では解決済みのものが言語の課題として解説されていたりもします。
Delphiオブジェクト指向プログラミング isbn:4774104272
オブジェクト指向の解説が、もう、実装べったりで、それは違うだろな気もするのですが、著者のObjectPascal♥度は半端ではないのでそれだけで読めます。Delphi 2時代のものですので流石に役たたずなんですが、当時のDelphiは熱かった!それだけで手元に置いておく価値のある一冊。祝、再刊!
ゲーム&&オブジェクト指向プログラミング isbn:4874085644
TurboPascalの本を書く、という目的のために、C++やらオブジェクト指向やらを持ち出した(と続刊に相当する「はじめてのDelphi」「Delphiオブジェクト指向プログラミング」の前書きにあります)、出版界の事情と著者の不屈の意志が宿る一冊。ゲームはコンソールでしょぼいながらCPUが手強くて(Windowsのアクセサリの)ハーツ程度には遊べます、が、時代が時代だけにCD付属などは無く手打ちしなければなりませんでした。
オブジェクト指向言語のはなし あなたはなにを選ぶのか―Java、Eiffel、C++? isbn:4894711885
目次からは三つの言語を同等に扱っているように見えて、その実、JavaC++をこき下ろしてEiffelをベタ賞めしているだけの本です。内容そのものも実に良く分からんですが、言語♥度だけで言えば群を抜いた一冊です。
あー、最近本屋でコンピューター系のコーナーに行くことが減ったな……。

*1:MicrosoftMS-DOS最後のBASIC、よく知られているWindowsVisualBasicとは異なりQuickBASIC互換でネイティブコンパイラ。テキストベースでフォームは作れますが使い物にはなりません。